「家族の幸せ」経済学

発行年月

2019年6月

著者情報

山口 慎太郎(やまぐち しんたろう)
1999年慶應義塾大学商学部卒業。2006年ウイスコンシン大学経済学博士を取得。その後、カナダ・マクマスター大学助教授、准教授となり、2017年より東京大学経済学部・経済評価研究教育センター准教授として活躍されている。
専門は『家族の経済学』『労働経済学』。

感想

取り上げられている研究は海外のものが多く、日本では実施できない(そもそも社会的に許さない?)のかな?勉強になる事例が多かったのですが、日本で子育てをしているので、日本へそのまま『当てはめて良いも』のと『そうではないもの』をもっと分けて伝えて貰えるとより参考になると思いました。

「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実 (光文社新書) [ 山口慎太郎 ]

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メモ・キーワード

・経済学は人がなぜ・どのように意思決定し、行動に移すのかついて考える学問
・結婚の経済学
・結婚と恋愛は個人の幸せに大きな影響を及ぼす
・結婚と恋愛社会全体にとって重要なイベント
・人は何故結婚するのか?人柄を求めるが、家事育児の能力、経済力、仕事への理解も求めている
・生涯未婚率(50歳まで未婚の人の割合)は年々上がっており、男性20% 女性10%(参考1950年の未婚率は1.5%)
・初婚年齢は1950年は男26歳 女23歳だったが2009年には男30歳 女28歳へ晩婚化が進んでいる
・マッチングサイトで年収を1000万以上とプロフィール載せている人は実際の4倍いる(アメリカの話)
・美男美女ほど収入が高くなる傾向がある
・当たり前をしっかりデータで証明すること
・結婚のメリット 「費用の節約」「分業の利益」「リスクの分かち合い」「子供を持つこと」
・子供を持つことでかかる(減る)もの→費用、時間、収入(子育ての時間を仕事に換算した場合の考え方 機会損失)
・分業の利益が失われている。昔は男女の収入差が大きく、男は賃金を稼ぎ家庭のことは女性がする分業が成り立ったが、現在は収入差が小さくなり分業のメリットが少ない
・1985年ごろ、女性は男性の60%の収入だったが、2018年では73%まで差が無くなってきた
・出会いの機会が昔に比べて減っている?
・お見合い結婚と恋愛結婚の割合は1935年は69%:13%だったが1965年以降に逆転し、現在は5%:88%になっている
・出会いのきっかけは1位31%知人からの紹介、2位28%仕事職場での出会い、3位12%学校での出会い、幼なじみ同士は実際は1.6%しかない
・職場に異性が多いと結婚率が上がる(デンマークの研究)
・異性の多い職場での働いていると離婚率が高い(異性が全くいない職場と比べて40%も高い)デンマークの研究
・大卒は大卒を求め、高卒以下は高卒以下を求める→似たもの同士が結婚する
・似たもの同士が結婚する理由①出会いの機会が似たもの同士に限られている②自分の好みに従ってパートナーを選んだ結果が似たもの同士だったから
・赤ちゃんの経済学
・日本を含む世界各国で生まれてくる子供の体重低下している(低体重の子供)
・妊娠中にお母さんが仕事をしていると低体重の子供産まれる確率が上がる
・低体重の理由 医療の発展で救える命が増えた、不妊治療(母の年齢が上がるほど出生時の体重が低い)
・小さく産んで大きく育てるは極端な例えだが悪いわけではない
・低体重で生まれると中年以降に糖尿病や心臓病を発症しやすくなる
・出生体重が10%増えると、20歳時点のIQは0.06高く、高校卒業率は1%高く、所得も1%上がる(双子の研究より)
・日本における帝王切開の割合は病院25%
・母乳育児
・ベラルーシの研究では母乳育児の教育を行った病院で生まれた子供は生後1年間の感染性胃腸炎、アトピー性湿疹にかかる比率が少なかったが、気道感染症は変わらなかった。肥満、アレルギー、喘息も差はなし
・日本の育児制度は先進諸国と比べて見劣りするもではない
参考:育児休業の期間 日本は58週間 アメリカ・メキシコは12週間
参考:育児休業給付金の支給額 日本は62% アメリカはゼロ%
・育休の経済学
・育休中の給付金は雇用保険から支払われる為に会社の経営を圧迫することはない
・イクメンの経済学
・女性の育休取得率(退職した女性を含める)は58%前後、男性は5%前後
・スエーデンの研究では1ヶ月育児休業したお父さんは収入が2%減る。推測だが子育てに参加することで、子供との時間を大切にする気持ちが芽生え、仕事より子育てを優先する様になるから?
・アイスランドの研究では男性が育休を取ると離婚率が下がった
・スウェーデンは逆に離婚率が上がった。理由は一緒にいる時間が増え、相手のことをより理解出来るようになったから?
・保育園の経済学
・ペリー就学前プロジェクト→幼児教育は有効だが、継続しないと知能指数などは以前の状態の戻ってしまう
・離婚の経済学
・日本の離婚率3割というのは一般的に結婚数割る離婚数で計算しているので、大目に出ている(結婚数は変動するし、年々生まれる人が減っているので、結婚数も減っている)
・離婚しやすくするとDVが減る
・共同親権

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