アデュカヌマブはFDAで承認されるのか?





みなさま

こんにちは。梅雨入りしジメジメ季節を如何お過ごしでしょうか?

この季節の一番の悩みは湿気。。。。
私はくせ毛なのでセットが大変(-_-;)

まあ、それはおいといて、梅雨で困るのは洗濯物が外で干せないことではないでしょうか?
浴室乾燥などあればいいのですが電気代が気になりますよね。

参考
・浴室乾燥機を3時間作動させた場合にかかる電気代は約100円(約3000円/月)
・除湿器は大きさによりますが7畳タイプだと電気代は3時間で約15円(約450円/月)

こう考えると『除湿器』欲しいかも?


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売れ筋ランキング上位のようです。


さて、本題ですが、今回はミクスオンライン(5/17)の記事である

エーザイ・内藤CEO アデュカヌマブ審査受領控え「いかなる状況でもベスト尽くす」

から『アデュカヌマブ』について考えてみたいと思います。

はじめに

『アデュカヌマブ』と言うのは、アルツハイマー病の進行を抑制する可能性のある化合物です。

アルツハイマー病というのは、思考、記憶および自立の機能が損なわれ、早期の死亡につながる進行性の神経疾患で、2017年時点で世界全体に約3,500万人いると言われており、今後も患者は増えていくと予想されている病気です。

この病気はご存知のように、当事者だけではなく、そのご家族への負担が大きく、グローバルヘルス問題として一早い解決が望まれています。

日本はどうかというと、厚生労働省の発表では、認知症患者は約460万人と多く、高齢化に伴い数も増えていくと予想されています。

そのような病気ですが、20年近く新薬が出ておらず『アデュカヌマブ』が承認されれば久し振りの事になります。

2021年5月12日エーザイ決算資料より

連敗し続けている新薬候補

認知症の発症で有力な機序は、アミロイドベータ(Aβ)という毒性のタンパク質が長年かけて蓄積されることで、脳に変化が起こり症状が現れると考えられています。

製薬会社は、このアミロイドベータ(Aβ)をターゲットにした薬を研究し、臨床試験を実施していますが成功していないのが現状で、開発を諦める企業が多いです。

開発を中止した化合物
●BACE阻害剤:アミロイドベータの産生を防ぐ化合物
メルク(ベルベスタット)
イーライリリ/アストラゼネカ(ラナべスタット)
ノバルティス/アムジェン(ウミベセスタット)
バイオジェン/エーザイ(エレンベセスタット)

●抗アミロイドベータ剤:アミロイドベータを除去する化合物
ファイザー(バピネオズマブ)
イーライリリ(ソラネズマブ)
ロッシュ(クレネズマブ)

アデュカヌマブの効果は?

この薬剤は2つの試験(EMERGE試験とENGAGE試験)結果を元にアメリカFDAに申請していますが、EMERGE試験(1,638人)は、高用量投与群で主要評価項目をP<0.01の有意差を持って達成したが、もう一つのENGAGE試験(1,647人)は、主要評価項目を達成出来ていないという微妙な結果となっています。
現在、この2つの試験以外に、アデュカヌマブだけのオープン試験を実施して、補完するデータを集めている最中のようです。


FDA諮問委員会とは?

FDAで承認を得る為には、臨床試験の有意差がP<0.01が1本以上あるか、又はP<0.05の臨床試験が2本以上ないと認められないと聞いています。今回は高用量群でP<0.01なので条件をクリアーしているようですが、全用量ではないのでどうなるのか?

また、審査には拘束力はないが考慮される『FDA諮問委員会』というものがあり、そこでの結果は厳しい意見だったようです。

エーザイのプレスリリースより
アルツハイマー病治療薬候補であるアデュカヌマブについて、米国食品医薬品局(FDA)の末梢・中枢神経系薬物諮問委員会が開催され、「301(ENGAGE)試験を考慮せずに302(EMERGE)試験を独立して評価した場合、アルツハイマー病治療としての有効性に関する説得力のあるエビデンスを示しているか」について投票を行い、賛成1、反対8、保留2の結果となりました。また、「103(PRIME)試験がアデュカヌマブの有効性の裏付けとなるエビデンスを示しているか」については賛成0、反対7、保留4でした。さらに、「申請者はアルツハイマー病の病態生理に対するアデュカヌマブの薬力学的効果に関して説得力のあるエビデンスを示しているか」については賛成5、反対0、保留6の結果となりました。最後に、「103試験の結果およびアルツハイマー病の病態生理に対する薬力学的効果に関するエビデンスとともに、301試験および302試験の探索的解析による理解に基づき、302試験をアデュカヌマブのアルツハイマー病に対する有効性に関する主要なエビデンスとみなすことができるか」については賛成0、反対10、保留1となりました。
2020年11月7日資料より

遥か昔の話ですが、FDAで申請する製品を本社で担当したことがあり、その製品はこの委員会で過半数の支持を得ることが出来ず、結果FDAの審査では未承認となりました。(その後、追加試験を実施し承認を得ています)

アデュカヌマブは、この委員会で賛成者があまりにも少ないので、個人的には厳しいのかな?と過去の経験から思ってしまいます。

認可されたらどれぐらい売れるの?

20年振りの新薬になるので軽く1000億円は超え、国内証券アナリストは「年間3000億~4000億円はいける。1兆円を超える潜在力もあるだろう」と予想している人もいるようです。


まとめ

認可になれば、次の化合物も可能性があり、エーザイの時代が来ますが、未承認となれば、抗がん剤で稼いだ分が吹っ飛び、それ以上のダメージが来ると思われます。
どちらにしても内藤政権はこの薬剤が運命を握っていることは間違いないようです。

FDAの判断を静かに待ちましょう。。。。

以上です。